国内で大衆向けのカラー写真が販売されて間もない1965年(昭和40年)4月2日(金)にそれを使ってみました。東北大学工学部電子工学科在学中の工場見学旅行が終わった後に、級友と四国旅行をしたときです。非常に高価でしたので僅か15枚(12枚撮り1本)しか撮影していません。この15枚のうち、下欄に掲げる5枚だけ、青みが強くなっていますが、退色が免れています。その他は全て退色しました。
[註]変色というより、退色というべきでしょう。以下に述べますように、パソコンの画像処理システムを使えばかなりの程度に元の色に復元(修復)できますので。
フィルムはサクラカラーであったか、フジカラーであったか覚えていません。そのネガフィルムはお蔵入りしてあり、何処に仕舞ったか忘れました。しかし、退色が免れた印画紙の裏を見ますと、SAKURA と印字されています。(当時の「さくら」は小西六写真の商標で、現在のコニカです。) 一方、退色した台紙の裏を見ますと、Fuji Film と極く薄く印字されています。ネガは同じなのに印画紙が異なるのは、級友に配布するのに何回かに分けてプリントしたためで、カメラ屋によって印画紙が変わったのだと思います。ネガの方は退色しているかどうかは、探し出して見てみなければ分かりません。プリントの方は、当初、どちらの台紙でも仕上がりが同じで綺麗でした。
[註]ネガがあってもプリント方式が現在と異なるのではないかな。? そうならば、再プリントは難しいというか、不可能と思われます。
以上、印画紙の耐久性に関していえば、サクラカラーの方が遥かに優れていたのですね。
一般にカラー写真が普及し出したのは、こののち10年以上も後のことです。
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