これにさかのぼること20年前の1980年頃に、私は平磯海岸の北4キロにある、阿字ヶ浦と米軍対地射爆場跡地(現在の国営常陸海浜公園)との境界の波打ち際の砂浜に転がっていた化石を見つけていました。それを次図に示します。 この化石の骨は時代を経て黒光りをしていてナイフの刃がまったく立たないくらいカチカチに固まっています。また、覆っている岩石もきわめて硬い砂岩で、黒い骨を掘り出すことはまったく不可能です。私は中生代白亜紀の海竜の化石ではないかと思いました。それで、つくば研究学園都市にある地質調査所に鑑定に持って行きました。若い研究者はあまりにも硬い砂岩に閉口しながら、黒い骨をもう少し露出するべく歯医者さんが使う電動カッターで削り出しました。そこで「骨の組成からみて海竜か、または、翼竜かも知れない。」と言います。私に「どこで産出しましたか。」と聞くので、私が「白亜紀層近くの海岸に転がっていました。」と答えると、研究者は「はっきりとした地層からの産出でないと化石の学術的な価値はありません。」と興味を示さなくなりました。それで仕方なく、そのまま家に持ち帰り、長年放りっ放しにしてあったわけですが、上記の市報の記事を見て、「まさにこれだ。」と私なりに結論付けました。
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