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ここに古いアメリカ製のトースターがあります。前世紀初頭のものと思われます。下の画像はそのトースターです。 多分、東北帝國大学工学部電氣工学科の備品として置かれていたものと思われます。 私(山本)が最初に見たときは、1965年に東北大学工学部電子工学科の八田研究室に卒業研究生として配属されたときに、指導教官の 間瀬寛先生(茨城大学工学部名誉教授)が 足元の暖房用として使用していました。 |
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1967年初頭に電子工学科が仙台市片平丁の東北大学本部から青葉山に移転となり、大掛かりな引越し作業のときに、 このトースターが鉄屑としてたくさんのゴミの中に捨てられていました。 私が「勿体ない。」と思って、上司に譲受を願ったところ、 「ああ、持って行っていいよ。」と仰るので、私が家にずっと保管していた訳です。 眺めると、簡素だけれども、なかなか洒落たいい形をしていて、 アメリカの一般家庭への電化黎明期の息吹が感じられます。 鉄板に洋銀のようなメッキがしてあり、組み立ては歯止めのみ。ネジやボルト・ナットは一切使っていませんが、未だにガタが全くありません。 さらに、驚くべきことに、今でもヒーターが点き、パンを焼くことができるのです。食パン挿入枠が、 「2人が向かい合ってダンスをしている」という図柄になっていて、 焼けたパンにその図柄が浮き彫りのように写されます。 しかも、今のオーブンやトースターよりも焼き具合がよくて、焼けたパンの味も格段によいのです。この点、昔のほうが優れています。 なお、図6ではパンの耳を切ってありますが、現在の食パンが大きくて枠に入らなかったからで、 昔の食パンが今のよりも小さかったのですね。 |
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パンを裏返すときにつまむ取っ手はエボナイト製で、画像にありますように、そこには 「STAR ELECTRIC TOASTER, FITZGERALD MFG CO. U.S.A.」と印されています。 1905年にニクロム線が発明されていますが、 このトースターは、トースターの歴史には載っていません。 |
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裏を見ますと、画像でははっきりしませんが、
「STAR ELECTRIC TOASTER, PATENTED, 105-115 VOLTS 550 W, MANUFACTURED BY FITZGERALD MFG CO., TORRINGTON, CONN., 75.000」
と刻印されています。これをもとにインターネットで調べますと、
或るサイトにこれと同じトースターを見つけました。
このサイトを見ますと1921年製だと分かります。また、このサイトを参考に和訳しますと、
「星式電気トースター、特許、105-115ボルト用、550ワット、フィッツジェラルド MFG(Manufacturing 製作所) 株式会社製、コネチカット州トリントン、型番75.000」
となります。なお、この会社名はインターネットで調べましたがありません。
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2007年当時のアンティーク・オークションで 50 ドルという安い価額でした。電気製品はどんなに古くても安いのが相場です。
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(東芝博物館所蔵) 1996年撮影 |
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