2006年6月23日~24日
特別寄稿 makoさん
さぁ、待ちに待った遠山へ。
美形アマゴのために今回は様々なメニューを用意しました。
ヒラタ・黒川虫・AGミミズ・オニチョロ。
初日は餌採りにあて、翌早朝からが勝負です。
そう、勝負といえばこの日はWカップ運命のブラジル戦の日。
車中3人で勝敗の行方を賭けたりしちゃいます。
2対0。3対1。2対1と分かれました。
勝つのはもちろん○○○○よ・・・。
「がんばれ、ニッポン!」
と応援をしつつ、入った場所は北又出合。
とどさんは車止から釣り上がり、ヒラちゃんと私は釣り下ることに。
水位は平水よりやや低いようです。
今回はハエ竿から渓流竿の6.1メートルに持ち替えました。
4月19日に釣れたポイント周辺を探ってみましたが、
釣れてくるのは稚魚放流された手のひらサイズばかりです。
うーん、どうしたのかなぁ?
早々にとどさんと合流し、朝食タイム。
下流に降りたヒラちゃんを待って本谷に向かうことにしました。
でも、その前にやっておくというか見ておきたいモノがあります。
そう遠山名物ヤマビルくん。
ヒラちゃんはヤマビルが出てくる5月中旬からは遠山を控えているみたい。
「あにいってんだよ。ヤマビル如きで・・・。ミミズみたいなもんジャン」
「そんなもん、ヒョイと摘んで餌にしちゃえ!」
とはいいつつ、未知の生物のために準備万端の体制をとりました。
ヤマビルファイター、虫よけスプレー、粗塩をベストにしのばせ
、ヒラちゃんが釣っている下流を目指し林道を降りていきます。
トンネルをひとつくぐったあたりで林道を登ってくるヒラちゃんと遭遇。
一発いいアタリがあったけれど、後が続かなかったそうです。
ふと気がつくとそこはヤマビル谷。
木が林道に覆いかぶさり、地面は細かな割れ石と落ち葉。
前夜降った雨にジットリと濡れた路面からは瘴気が漂い・・・
「うわぁ、出てきたダニィ!」とヒラちゃん。
「makoさんこれがヤマビルだよー」と胴間声のとどちゃん。
石と石の間から、黄土色をした細長い紐状の生物が
頭をもたげるではありませんかぁー。
みると、あっちにもこっちにも
そいつらが、あたしらめがけて身体をと寄せてきます。
目も無いくせに人間の身体から出る息に反応するのでしょうか。
身体を伸ばしたかと思うと、ヒュっと縮め、早いこと早いこと。
ヤマビル経験者の二人は落ちついたもんで、
持参の薬剤をヤマビルにフリカケて商品テストなんかしています。
「成敗。シュッシュッ。おっ、こっちも成敗。シュッ!
うーん、ムヒペール。スキンガード。虫除けスプレー。粗塩の順かなぁ?」
「makoさん、どっかにヤマビルいない?
あっ、ちょっと待って。足首に這い上がってるよ」と、とどさん。
えぇ~っ!
見ると1匹のヒル野郎が身体を細くしてシューズからタイツの中に
頭の中でなにかが弾けました。
「あに笑ってんだ!とってくれよ!
おら、タイツん中はいっちまうだろうがぁ!
やだやだやだやだ。早くしろよコラァ!」
「とど、写真なんか撮ってる場合かよ。
スプレーかけろよぉぉぉ」
なんていう人たちでしょう。
ヒラちゃんなんか、腹抱えて大笑いしています。
しばらく遊ばれてから、
ようやくヒルにスプレーを振りかけてもらい払い落とすことができました。
卸したてのタイツに、ヒルファイターや塩をすり込んできたのに、この有り様。
恐るべし、遠山ヒル軍団。
ヤマビルダンスを終えてからは本谷を攻めることにしました。
薄情ものの(笑)二人の傍で釣りをするのはいやなので、
私は下流の落ち込みから釣り上がることにしました。
ここではヒラちゃんが大岩の上で大きなイワナを掛けました。
「makoさーん、下降りるのたるいから、取り込んでよー」
はいはい。あんなに笑っておいて。
もぅ・・・綺麗なヤマトイワナですねぇー。
淵を上から覗き込むとでかいアマゴがウヨウヨ泳いでいるのが見えました。
午後からは仕事のために早上がりしたヒラちゃんを送り、かぐらの湯へ。
木の香りと露天風呂。最高の温浴施設ですねー。
ここで日本の敗戦を聞きました(予想通りだったか・・・)
温泉とビールと昼寝をたっぷりとった後、
夕まずめは三軒家から入ることにしました。
その前に水神様に安全祈願。
川に流されたとどさんは、以前にも増して信仰厚いご様子です。
私もそれにならい、しっかり手を合わせます。
「ヒルにあわず、いいアマゴが釣れますように パンパン(二拝一礼)」
車は狭い林道を這うように進みます。
ところどころで割り石が転がる道です。
「ここがフジパンポイント」と、とどさん。
ほんとに這うように車は進み・・・ん、這う?
なんか左足を這ってるぞ?ん?なにこのムニュっとした奴は?
ハンドルを握っているとどさんに叫びますが、無理な相談。
ひとつ間違えば路肩から谷底へ落ちちゃいそうな道です。
助手席でバタバタ暴れる私。懸命になだめるとどさんでした。
汚れなき足は、ヤマビルに蹂躙。(泣)
タラタラと処女の生血が流れ落ちました。
痛みや痒さはありませんが、タラリタラリと血が止まりません。
うーん、いやらしい奴め・・・。
血をたっぷり吸ったヤマビルは黒っぽく太り、
車のシートの下にもぐりこもうとしています。
このままにしておくと、次々に卵を生んでしまうとのこと。
とど号をヤマビル号にするわけにはいかず、
二人で必死で見つけ成敗。
おのれ、さては水神さまご参拝の時に靴底についてきたのかぁ・・・。
ったくもう・・・。
とどさんに粗塩とバンドエイドで処置してもらいました。
夕マヅメ、とどさんは良型アマゴを連発。
餌は本谷で採ってきたオニチョロです。
うーん、さすが通い詰めてるだけあって、とどさんの上達ぶりは見事です。
前はどう掛けるかが課題だったようですが、
今は取り込み方に気を配っているみたい。さすがですねー。
一方の私はヤマビルショックから抜け出せず、
せっかく掛けたアマゴをブッコ抜こうとして
中州で糸切れをおこすという醜態を晒す始末です。
おーい、遠山アマゴやーい。
その日も、徳山さんで最高の肉をたっぷりいただき、
吸われた血液を十二分に補給して床につきました。
さて、遠山2日め。
今日は上村川の鮎解禁日。
ヒラちゃんは私たちに鮎のお土産を持たせるべく、
そちらに昼前から出撃。
私ととどさんはカガラ(加加良)から入渓することに。
いままで1匹も釣り上げていない私のために、
とどさんは先行を譲ってくれます。
見事な渓相が連続する中、
淵のぶっつけ、手前のかけあがりといったポイントでは、
必ずいいアタリがきます。
目印がギュン、アァはずれた。
魚はいる。それも半端な数ではありません。
釣れないのはひとえに釣り人の腕のせいですね・・・。
「おおっー、きたでぇー!」
竿を満月に曲げ、下流へ走るとどさんの雄たけび。これは良型アマゴだ。
27いや28センチはありそうです。
タモを出すのを見て、写真を撮るべく駆けつけると
・・・ん、天を仰ぎバンザイをするとどさん。タモの中は・・・あれっ?
ななんと取り込み寸前に股の間をくぐり抜けていったそうです。
うーん、残念無念。
昨晩、鑑賞した秘蔵のマ○グ●ビデオがいけなかったのか?!
股の間をすり抜けるなんて・・・
それにしても狡猾な遠山アマゴですねぇー。
9分9厘手中にしてたのに・・・
ここまで二人して、10打数0安打。
退渓地点手前の二段の淵に着いたのは7時をとうに回っています。
あー、これが最後のポイントか。
今回も美形アマゴとの邂逅はお預けか。
手前のかけあがりを数投流し、
枝に気をつけながら奥の巻き込みに仕掛けを放りこみます。
目印が流れに入り、フッと止まりました。
軽く竿を握り直すとギュギューンという引き。
やややった!
竿は上流に向けて、身体は下流に走るんだな。
とどさん、ヒラちゃんからのレクチャー通りにやってみます。
じゃじゃーん!
今回も最後の最後で遠山アマゴが顔を出してくれました。
24センチほどのメスで、尾びれの上はやや細めの34点か。
だけどうれしい1匹です。とどさん、ありがとう!ついに捕れたダニィ!!
がっちり握手して、バシャバシャ写真を撮りました。
すばらしい渓流と遠山アマゴに出会え、
満ち足りた気分で林道を歩き、車に戻りました。
あー、遠山に来て良かった。すばらしい仲間に出会えて良かった。
そんな思いで、シューズの紐を解き、タイツを脱ぎました。
「○●×△▼□◆!!!」
今度は右足かよー・・・
かくして、遠山ヤマビル釣行は幕を下ろしました。
とどちゃん、ヒラちゃん、ケイちゃん、徳山・糸忠のみなさん、
ありがとうございました。
また、いくでぇー!
もう、ヤマビルなんか怖くないもーん!
(やだなーあの動き・・・)